2015.03.06 Fri 日本の味は覚王山にあり
3月5日(木) 晴れ
*初めての方はまず第一話を読んでください。
こちらから。
●本子[三山家の嫁・永遠の天然娘]
(こたつを拭いたり廊下を掃除したりしている)
恋人よ~
僕は旅立つ~♪
エジプトへと向かう飛行機で~
砂漠の真ん中で~、
君への贈り物~
探す~、探すぅぅつもりさ~
いいえ、あなた
私は欲しいものはなのよ~。
ただ、エジプトの絵の具に~、
染まらないで帰って~、
染まらないでかぁええって~
*ねこ*
なんだか今日は本子さんがご機嫌ですね。
朝っぱらから大音量で「木綿のハンカチーフ」エジプトバージョンを
歌い続けています。
●東子[本子の娘・イケイケ女子高生]
(パジャマのままこたつへ)
ちょっとママ!!
休日ぐらいゆっくり寝かせてよ。
そのよくわからない歌のおかげで、
こんな早朝から目が覚めちゃったじゃん、もー。
ヽ( )`ε´( )ノ ブーブー
●町子[本子の姑・三山家の最権力者]
(こたつでお茶をすすりながら)
東子さん、
早朝って今何時だと思っていますか?
11時ですよ!
このバカたれが!!!!!!!!!
そんなしみったれた格好で、
神聖なおこたつに入ってくるんじゃないわ!
●東子
そんなに怒ることないじゃんか~(-ε-)。
もう、せっかくの休日の朝だっていうのに、
テンション下がるわ~(´‐` ○)フゥ。
●町子
(踊りながら居間に入ってくる)
東子さん
ひょっとして忘れてるんじゃないの?
今日はなん
の
日
だ~
??
●東子
(まだこたつから出ようとしない)
いや、知らないし、その言い回しがウザいし。
●町子
やっぱり忘れてるから~
だからそんなにテンションがさがっちゃたり、
そんな汚い恰好で、
ぼさぼさのぶっさいくな髪型で、
顔も洗わず目ヤニだらけで、
しみったれていられるのよ~
●東子
その、きゃぴきゃぴしたテンションで、
ひどい悪口言わないでくれる?
●本子
今日が何の日か思い出したら、
きっと世界の色が違って見えるわよ!
今、グレーに見えてるとしたら、
そりゃもうラブリーなピンクの世界に変わるわ~。
うふふふふふふふふふ
●東子
いや、今も鮮明なカラー映像で見えてますし、
ピンクの世界とか、
ヤバい薬やってんじゃないんだからさー。
怖いし(ノ_-;)ハア…
●町子
で、今日は何の日なんですか? 本子さん。
そんなに勿体付けないで教えなさいよ。
●本子
えっ!!
(びっくりして町子の両肩を掴み揺すりながら)
町子さんも忘れちゃったんですか?
本当に? 本当ですか?
忘れたふりですか?
●町子
(本子の頬を両手でつねりながら)
本子さん、
気安く肩を揺すらないでちょうだい。
口に含んだお茶が吹き出しちゃったじゃないの!
で、何の日?
早く言いなさい。
●本子
(頬をつねられたまま)
言いまふ、言いまふっ!
(頬を離してもらえる)
今日は、
なんと!
学さん[本子が溺愛する夫・大学教授]が、
エジプトから帰ってくる日ですよ!
パチパチパチパチ~
(一人で拍手)
シ~ン・・・。。。。
●東子
え? そんだけ?
そんなこと知ってるし。
●町子
そうですね、覚えてますよ。
●覚[本子の息子・引きこもりがちなイケメン]
(こたつから頭だけ出して本を読みながら)
知ってる。
●本子
きゃっ!
覚さんもいたんですか?
本当に存在感がないのね。
というか、みなさん。
知っててそんなにテンションが低いんですか?
年明けてすぐにエジプトへ行ってしまった学さんが、
1ヶ月ぶりに帰ってくるんですよ!
嬉しくないんですか????
●東子
別に~。
●町子
まあ、無事に帰ってきてくれてよかったとは思いますけどね。
●覚
・・・・・
●本子
もうみんなそんなことじゃダメですよ!
学さんが帰ってきたら、
玄関でこれを鳴らしてくださいね!
(クラッカーを配る)
あと、東子さん。
そんなみすぼらしい恰好してないで、
早く着替えてらっしゃい!
もうすぐお帰りですよ!
●東子
いや、マジで面倒くさいわ~(´Д`) =3 、
ママのその性格。
パパも派手な演出好きじゃないって~。
●町子
(東子をこたつからつまみ出しながら)
どっちにしてもあなたは着替えてらっしゃい!
●本子
(居間の中をぐるぐる歩き回りながら)
それにしても遅いわ~。
そろそろ帰ってきてもいい頃なんだけど。
●町子
本子さん、落ち着いて。
お茶が冷めてしまったから淹れなおしてちょうだい。
温かいお茶でも飲みながら、
落ち着いて待ちましょう。
●本子
(言われたようにお茶を淹れ直してこたつに入る)
ふ~。
やっぱりお茶は落ち着きますね。
学さんも疲れていると思うから、
美味しいお茶を淹れてあげなきゃ。
(玄関から声が)
●学
ただいま帰りました。
●本子
(こたつから飛び出して玄関へ走っていく)
学さん~!
お帰りなさい! お帰りなさい!
(学に抱き付く)
●学
(本子をよしよししながら)
ただいま。遅くなりました。
●本子
(くんくん、くんくん)
学さん、なんかいい匂いがします!
●学
とりあえず、居間で落ち着いてもいいかな?
ちょっとばかり疲れているから。
(三山家全員居間に勢ぞろい)
●学
みなさん、長い間留守にしました。
無事、帰ってこれました。
●町子
お疲れ様でした。
予定より遅かったじゃないの?
どこかに寄っていたんですか?
いつもの、アレですか?
●学
すみません、実はどうしても食べたくなってしまって。
長い海外出張の後はどうしてもアレを食べたくなってしまうんです。
●東子
アレって?
●町子
「つる屋」さんでしょ? 覚王山の。
●学
さすが町子さん!
そうなんです。
どうしてもあそこのみたらし団子を食べたくなって。
あのもっちもちのお団子と香ばしいしょうゆの風味を、
エジプトでも何度となく思い出してしまいましてね。
寄らずにはいられませんでした。
遅くなってごめんね。
(本子に謝る)
●本子
(頬をぷーっと膨らませて)
もうっ!
私より先にみたらし団子に会いにいっちゃうなんて!
ひどいです!
●学
でも、みんなの分も買ってきたらから。
ほら、お昼だからお腹空いてるでしょ?
ねこの分もちゃんと買ってきたよ。
*ねこ*
1ヶ月もエジプトに行っていたのに、
ちゃんと吾輩のことまで覚えていてくれるにゃんて、
学さんはやっぱりイカすな~。
そして、このみたらし団子。
吾輩も大好きなのだ!
猫舌の吾輩はアツアツのお団子は食べられないけど、
ここのは冷めてもお団子が固くならない!
もちもちさと甘辛いしょうゆの味がたまらないのだよ!!!
●学
「つる屋」もそうだけど、
覚王山には日本の良さを再確認できる魅力のある店が多いね。
今日、久しぶりに歩いてみて実感したよ。
僕のお気に入りは、「つる屋」のみたらし団子だけど、
人それぞれ、自分のお気にりの覚王山ってあると思うんだよ。
大げさな言い方かもしれないけど、
それが故郷の味になってる、って人も多いんじゃないかな?
帰郷したらすぐに食べに行きたい、というような。
●町子
そうですね。
私は「およし」のお好み焼きが好物ですよ。
●本子
私は「玉屋」のカレーうどんが大好きです!
●覚
僕は駄菓子屋の児島屋。
無くなっちゃったけど・・。
●東子
つーか、
覚王山話はいいけどさ、
エジプトはどうだったわけ?
なんか発見したの?
ノーベル賞いけそう?
*ねこ*
あらあら、
学さんがさり気なく話をエジプトに向かないように、
覚王山でごまかそうとしたけど、
東子さんのするどい突っ込みが入ってしまいましたね~。
でも、今回は長くなりすぎたので、
この話はまた今度。
と、言っても、面白いエジプト話が聞ける可能性は極めて低いと、
吾輩は思いますけどね。
つる屋
名古屋市千種区山門町2-50-3
052-751-7413
10:30~19:00
無休
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三ツ山ねこ
本山界隈のとある一軒家に住む三ツ山家で毎日繰り返される平々凡々なちゃぶ台話を、三ツ山家の飼い猫「ねこ」のナレーションでお送りします。
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